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日本−トルコ観戦記(CFC通信#16)

なんか時間が合わなくて、未だ試合のダイジェストすら見ていません。
今後、試合のビデオを見て、追記訂正が必要な場合は、別途補足していきます。

本日は、試合編。うまくいけば明日ぐらいに、試合以外の部分も含めて、いくつか書いてみたいと思います。

−−−−−


宮城スタジアムには、開場時間前についた。
新潟、鹿島、横浜とは違い、周りでイベントもやっていないし、お店もないため、すぐにゲート前に並ぶ。俺達が並んだときはそうでもなかったが、しばらくすると長蛇の列が出来ていた。

12時ぐらいに開門。
各社のブースを回ろうかな、なんて考えていたら、いきなり雨足が激しくなる。雨粒に当たると痛いぐらいに強く降ってきた。慌ててスタジアムに入り、通路の隅で雨宿り。
13時ぐらいに友人と合流。雨は一向に止む気配なし。困惑。そうこうしているうちに、息子が爆睡。大困惑。
練習が始まる直前に相談。友人と嫁に先に入ってもらい、俺が息子を抱っこして、そのまま待機することとする。

しばらくして、練習を見ていた友人と嫁が戻ってくる。
「メンバが替わっている!」
まだ場内放送がされていなかったため、どうしてメンバがわかったのか不思議だったが、どうやらビブスを着けているかいないかで判ったらしい。
「アレックス、西澤の先発」

何ともいえない感情が湧き上がる。
いじるとすれば、今日。そう考えていた。
同時に一次リーグでの先発メンバにチームとしての”ノビシロ”を感じていた俺は、「いじらないで欲しい」とも思っていた。
予想していたとはいえ、いいようのない不安がよぎる。


雨は止まず、息子は起きず。


結局、選手入場の直前に自席に向かった。
スタジアムに入ると、バックスタンドの空席が真っ先に眼についた。
またやりやがった、バイロム。しかし、いい加減、腹も立たなくなっている自分に笑う。席は、センターラインのほぼ正面の素晴らしい場所。
でもちょうど屋根の切れ目に当たるらしく、雨はダイレクトに降り注ぐ。そして、時々屋根にたまった水がまとまって落ちてくる。これに当たると結構痛い。

試合開始。

立ち上がりは、アレックスの位置が定まらず、明らかにバランスが崩れていた。
もちろん流れの中のポジショニングではあるが、アレックス、中田ひ、西澤が並んで3TOPのような状態となり、中盤の左サイドに広大なスペースを作り出していた。また、アレックスが下がる場面では、小野、稲本、戸田が窮屈そうに動いていた。
また、DFラインからのロングボールが1TOPである西澤をターゲットにしていないケースも多々見受けられた。日本の選手が誰もいないところに蹴られるボール。
確かに鈴木と柳沢の2TOPだったら、どちらかが走り込んでいるところかも知れないなと思う。でも、今日は出ている選手が違うのだ。
また西澤の落とすボールに対する反応も鈍い。

このフォーメーションって、ぶっつけ本番じゃないよな...
まさかなぁ、でもなぁ...正直かなり不安になった。

結局バランスを修正できないまま、コーナーキックで失点した。
このコーナーキックのきっかけとなった、中田このミスの内容は、わざわざここに書かなくてもいいだろう。あまりにもイージーなミスに、見た瞬間、口から火を噴きそうになった。

失点後、しばらくしてアレックスのポジションが最前線の右に替わり、西澤との2TOPとなった。これで、ようやくペースをつかめたように見えた。
ただ、チャンスの殆どは、アレックスの強引なドリブル突破とそのドリブルをファールで止められた時に得るフリーキック。
トルシエは、これを必要だと考えていたのだろうか...
でも攻撃のバリエーションがあまりにも少ないのが気になる。トルコのしっかりとした強くて速いディフェンスが際立つ。
アレックスの惜しいフリーキックもあったが、結局そのまま前半を終える。

ハーフタイム、友人と戦況分析、ちゅうか感想の言い合い(笑)。
「トルコ、強い」
「想像以上だなぁ」
アレックスの評価は、案の定、分かれた。
ただ、選手交代のポイントは、アレックスということで一致。
「アレックスを替えるのであれば大幅な修正が必要だし、替えないのなら、他の選手も替える必要はない。」
また、友人はメイン総立ちの応援にも違和感を持っていた模様。俺はある程度覚悟していたので、あまり気にならなかった。まぁ息子を抱っこしていたため、座ったり立ったりを繰り返すのがきつく、いっそ立ったままの方がいい、という個人的な事情もあったりはしたが(笑)

息子を嫁に預け、少し身軽になって、気持を新たに後半を迎える。ハーフタイムが終わるころ、雨は殆ど止んでいた。

後半は、稲本、アレックスに替わって、市川、鈴木が入る。
そうきたか...
少しずつ、もとの形に戻そうとしているのか...やっぱりトルシエは迷っていたのか?そんなことを考える。

後半、日本は圧倒的にボールを支配していたと思う。
中田のシュート、西澤へのディング、鈴木へのヘディング(鈴木はパスしちゃったけど)枠を外した数々のシュート。決定的な場面も沢山あった。

ただ、その支配率ほど、ゲームを押しているようには感じられなかった。
トルコはしっかりと守り、単発の攻撃を受けても、波状攻撃にはさせなかった。セカンドボールへの寄せは、日本よりも速かった。

いつか感じた閉塞感。
息苦しさを感じながら、声を出しつづける。

時間が、ただじりじりと過ぎて行く。
選手交代は、あと1人。やれることはないのか?

35分過ぎ、森島が呼ばれる。
短い指示を受けて、40分ぐらいに市川にかわって、ピッチへ駆け出す。
これで、少しずつ周りとあってきた西澤をもっと生かせればよいのだが...
ようやく組まれた、セレッソのユニット。
しかしあまりにも残り時間は、少ない...

残り5分。
リズムが変わらない。同じリズムで攻撃し、跳ね返される。
そのリズムじゃ、だめなんだ。
恐らく、そんなことは判っているはずだけど...
でも変わらない。

少しずつ、空気が抜けていくような感覚に襲われる。

ロスタイム。
やはり同じリズムのまま、崩せない。
そして、タイムアップ。

終わりは、あまりにもあっけないもののように感じた。物足りなさすら感じた。
恐らく、後半残り時間が少なくなり、がむしゃらに勝ちに行かなければならない中、それまでと同じ攻撃を同じように繰り返していたことで、そう感じられるのではないかと思う。
ただ、宮城で応援していた人間達が、応援でリズムを変える事が出来なかったのも事実だ。あそこにいたサポーターを名乗る人たちは、その一点を反省しなければならないと思う。もちろん、俺も含まれる。

勝ちたかった。悔しかった。でも、この負けを俺は受け入れる。
そして、この負けは、選手、現場スタッフが、今大会に達成した結果を何も傷つけることではないと思っている。

最後に、頑張れトルコ。
たぶん、日本代表と対戦したのではなければ、俺は君達を応援していただろう。
この試合をみて俺はそう確信した。
一つでも上を目指して、頑張れ。

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