かつての戦友たちへ −仮処分申請即時抗告棄却を受けて−
横浜FCのオフィシャルサイトにて、横浜地裁が行った仮処分の決定に対し、昨年1月に東京高裁へ行ったソシオの不服申立が棄却されたことを知った。
まずは1年半もの長期にわたり、継続して本件に関わった人々に対し、心よりご苦労様と言いたい。
同時に。
かつての戦友たちに、そして、今その戦友たちを支える人たちに、提言したい。
撤退すべきである、と。勇気ある撤退をすべきである、と。
_____
もともと、本訴ではなく仮処分申請を選択したのは、短期決着を目指してのことだった。
言い換えれば、短期決着で意味のある要求(第3期分の活動費および名簿の引渡し)しかしていない。最初の申請から約2年が立とうとしている現在、その要求自体が意味を持たなくなっている。
最高裁に対して特別抗告したとしても、あるいはこの要求自体を本訴に切り替えたとしても、それは「裁判を継続する」ということ以外の実質的な意味を持たない行為である。
また、決定の根拠が、第1期、第2期のソシオの活動を根拠とした当事者的適格に終始している。これ以上裁判を継続したとしても、ソシオが勝利する見込みは、果てしなくゼロであると言ってよい。
「過渡期だから」「立ち上がったばっかりだから」「一生懸命やっているのだから」と、第1期、第2期理事を慮った優しさが、結局のところ、自らの首を絞めてしまった。
そして、忘れてはならないことがもう一つ。
ソシオの行動を支持する人たちは、殆ど横浜FCから離れてしまっているということだ。
長い時間が経過した。
彼は既に横浜FCのない生活に折り合いを付けているはずだ。
彼らは、決して戻ってこない。
YFSCが行った理不尽な行為の数々は、ソシオの支持者のみを減らしていったという事実を直視しなければならない。
すなわち、殆どの人間にとって、YFSCの行動は、逃げれば済むレベルのものであったということだ。
「守らなければならない権利」
そう考えた人間は、支持者も含めて、ほんのわずかであった。
結局「当事者ではない人間が、相手の不正を正すために仮処分申請を行った」という構図になってしまった。
そう。
たちの悪い行政訴訟によく見られる構図だ。
そして、時間の経過は、この構図だけを強調する形となった。
___
正義のために、戦わなければならないこともある。
そのことは、十分に理解しているつもりだ。
しかし、正義が勝つことに、実質的な価値がないとしたら、その正義はあまりにも悲しい。
まわりくどい言い方はやめよう。はっきり言おう。
仮に、ソシオが今後裁判に勝ったとしても、それは、わずかな人間の溜飲を下げる以上の意味は、ない。
わかっているはずだ。
横浜FCにおいて、決してあの頃目指したスキームに戻ることはないということを。
もし、時間の経過、裁判所の決定の意味、ソシオ崩壊の理由を考察することなく、あの頃のスキーム(ソシオとYFSCが協定書によって規定され、その協定書に基づきYFSCに対してソシオから役員を派遣する等)に戻りたいと考えるバカがいるなら、俺は、そいつを徹底的に斬ることになるだろう。
かつての敵と精神構造が同じだからだ。
かつての戦友たちに、そんなこともわからない奴らがいるとは思いたくない。
_____
ソシオが横浜FCから離れて、1年半。
結局のところ、ソシオは、外部に対してアピールするアウトプットを何1つ出すことはできなかった。
それを自覚すべきだ。
もちろん、内部ではいろいろと議論があったのだろう。そう信じている。信じたい。
しかし、あえて厳しい言い方をすれば、議論しかできない組織なら、組織として存続する意味は全くない。少なくとも、誰かを訴える資格はない。
万が一、もし未だに横浜FCと関わることを前提としなければ組織として維持できないのなら、解散したほうが良い。
横浜FCと関係なく邁進できるものがあるのなら、それを旗印に進めばいい。
1年半。
今のソシオ会員が、せめて後者を模索していたと信じたい。
_____
かつての戦友たちよ。
もう充分だ。
負けた。いいじゃないか。
撤退する勇気を持とう。過去を無駄にする勇気を持とう。横浜FCとの関係を絶とう。
突っ張れば突っ張るほど、YFSCにエクスキューズのネタを与える状況をリセットしよう。少し長いスパンでみれば、どちらがYFSCを追い込むのか、明らかなはずだ。
_____
もちろんこれは、離れた人間の戯言だ。
無視するなり、怒るなり、好きにしてくれ。
最後に、もう一つだけ傲慢な物言いをしよう。
今の俺とソシオの関係は、サポーターとクラブの関係に似ていないか?
「クラブはサポーターの声に耳を傾けるべきだ。」
そう主張していたのは、他ならぬソシオである。
部外者の声に感情的な対応しかできないのなら、君たちはその存在意義を自ら否定することになる。
_____
なお、個人的には、今回の棄却を受けて、1年半前の総会で報告された「ソシオ・フリエスタ」という商標権を根拠としたYFSCの仮処分申請の行方が気になる。これについては注視して行きたい。
ひとついえることは、商標権を盾にした法的措置をYFSCが行ったとしたら、YFSC自らが、全日空以下であることを宣言することになるということだ。
別にヒステリックに騒ぐつもりはない。
しかし、横浜FCを応援する人間は、横浜FCを応援し続ける以上、全日空、日産、マリノスを批難する資格は一切なくなることは指摘しておく。
そして、そのことで横浜FCに見切りをつける人間も、わずかながらいるということだ。
そんな恥知らずな奴らと関わりたくない。
少なくとも俺はそう考えている。