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イタリア−クロアチア(CFC通信#07)

(呑み疲れのため、当日作成を断念。9日に書きました)

友人の車に同乗させてもらい、友人とその父、そして俺の3人で出発。
車中、ビールにチューハイ。昼間からいい気分。
渋滞もなく、無事駐車場。運行を開始したばかりのシャトルバスにのり、競技場へ。
「つきました」
鹿島スタジアムが全く見えない場所に降ろされる。どうも自分達が止めた駐車場を往復するシャトルバスは、競技場まで1KMほど手前に発着所があるらしい。
時間はまだたっぷりあるし、ま、いいか。ぶらぶら歩き出す。
途中、酒を販売しているコンビニを発見。酒とつまみを買い込み、コンビニの裏で、にわか宴会。友人が行った韓国での試合の話など聞き、盛り上がる。
同じ場所で涼んでいた見ず知らずの人に「スタジアムの周りでも酒売ってるよ」という話を聞き「それじゃ」ってことでスタジアム方向へ。いい匂いが漂ってくる。
焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、タコス、フランクフルト、豚汁 etc.etc.
そしてビール♪
...しかし...規制あったんじゃなかったっけ??
さすがに呑み疲れたので(笑)、入場が始まるまで木陰で休み、砂ぼこりに煙るスタジアムをぼんやりと眺める。
人が落ち着いたところで、友人達と別れ、友人は入場。俺は最終的な腹ごしらえともう一杯ビール。半分へろへろ状態の中、あまり厳しくないチェックを受け、入場。

−−−−−

予想されたこととはいえ、入場者の大部分は、イタリアサポータもどき。俺の嫌いなKappaのイタリア代表ユニフォームやセリエAクラブのユニフォームあるいは青いTシャツに身を包み、後ろにはトッティだぁ、デルピエロだぁ、インザーギだぁ、ビエリだぁ、ナカタだぁ...
見ているうちに、だんだん腹が立ってくる。
むかむかむかむかむか。
無駄な反骨精神、いらん判官びいきが頭をもたげる。
「ゼッテー、負けねー!!」
なんだかワカランが、そう決意する。

開始1時間ぐらい前に、隣の席に見慣れたクロアチア人が座る...新潟のメキシコ戦で隣に座ってた奴だ。握手する。
片言の英語(というか、単語)で話すと、この試合を最後に国に帰るらしい。
「くろあちあ、うぃんうぃんうぃん」
そうだ、勝とうぜ。

−−−−−

ほぼ満員の観客の中、試合が始める。
クロアチアのスタメンに、ラパイッチが入っていた。

メキシコ戦とは違う。
スタメンに入ったラパイッチが頑張っている。右に張り出したままで全然機能していなかったコバッチ兄もたびたび中に入ってくる。
中盤から後ろの守備もそれなりに頑張り、競り合いでのセカンドボールを取るケースも結構あった。

とはいいつつ、前半はまったりと展開。贔屓眼でみて(笑)、ややクロアチアが押していたか。
前半終了後「0-0はあるかも...」と思う。
→弱気(苦笑)

−−−

後半、クロアチアの動きが鈍い。
始まってすぐ、イタリアのヘディングが決まった。
しおしおにしおれちゃう、俺とクロアチア人。
でもなんかピッチ上の選手の動きがおかしい。
「オフサイドかよぉ」
という声が遠くで聞こえ、フリーキックで試合再開。少し膨らむ俺とクロアチア人。

でもその後すぐ、今度はきっちりとヘディングを決められる。
「シット!」
小さくつぶやきながら頭を抱えるクロアチア人。気の毒になるほど落ち込んでいる。
俺も正直「無理かな」と思う。

後のないクロアチア。しかし別に動きが大きく変わった訳ではない。どちらかといえば、イタリアの方が変わったか。ほんの少し油断があったのか、ほっとしたのか、ちょっと球際が淡白になったように見えた。
それでも、最後までいけないクロアチアの攻撃。
「ちくしょうちくしょうちくしょう」
苛つく、俺。

20分すぎ、クロアチアのパスがポンポンと繋がり、ゴール前にセンタリングがあがる。ゴール前、クロアチアの選手の身体が半分だけ前に出た。出した足にボールがあたり、逆サイドのゴールネットを揺らした。

スタンドの1/5程度(もっと少なかったかも知れない)の、クロアチアサポータが弾ける。
「よし!よし!よし!よし!よし!」
ガッツポーズを繰り返す。携帯を落とすわ、かばんは落とすわ。
俺の隣のクロアチア人めがけてダイビングする日本人まで出る始末。あぶねーって(笑)
さらにそのすぐ後、ゴール前のラパイッチへパスが通る。体勢が崩れながら、ゴールに向かって足を振るラパイッチ...当たりそこないのボールは、しかしフワフワとゴールの中に吸い込まれていった。

再び弾けるクロアチアサポータ。大騒ぎ。
「ふーばちか!ふーばちか!」
クロアチア語での国名が、鹿島に響き渡る。

しかし騒ぎが収まった後、クロアチア人が時計を見て天を仰いだ。
「15ミニッツ」
残り15分。イタリアの猛攻が始まる。ざわつくスタンド。
中でもトッティのフリーキックには、肝を冷す。単純にスゲーと思う。

堪えて堪えて、45分が過ぎ、長い長いロスタイム4分を過ぎて、ようやくタイムアップ。
「勝った勝った勝った勝った!」

クロアチア人と抱擁。でも待ち合わせで時間のない俺は、そうそうにここを出なくてはならない。
硬く握手をしながら、クロアチア人に「次もクロアチアを応援するからな」と(英単語で)伝える。
「おっけーおっけー」
多分、伝わったんだと思う(笑)

試合後、誰もユニフォームを交換しないイタリア選手とユニフォームをゴール裏に投げ込んでいるクロアチア選手を横目に「ふーばちか!ふーばちか!」という声援を聞きながらスタジアムを後にした。

−−−−−

興奮をそのまま持ち込んだ帰りの車中。やっぱりビールで、乾杯。
さすがに呑み疲れ、俺は途中から爆睡。ほんと友人には申し訳ないことをした。反省。

しかしG組、すげーことになってきた。
これで9日にエクアドルが勝ったら、4チームが勝ち点3で並ぶ。もしメキシコが勝ったとしても、2位争いは、熾烈。
13日のエクアドル−クロアチアが、本当に楽しみである。

−−−−−

最後に。

駐車場で、読売新聞がこの試合の見所みたいなものを配っていた。
そこにはクロアチアの紹介として、相変わらず1990年5月にあったザグレブとレッドスターベオグラードの試合で起こった暴動に触れていた。

もう、無邪気な報道はやめないか?

あの時どういう状況だったか、日本のサッカーファンの殆どは、知ってるよ。
あの暴動は、決してセルビア人が起こしたわけではないことも。
「子供を守るために警官に向かっていった」と話すボバンの周りに、子供の姿なんかなかったことも。
そして、クロアチアとセルビアの関係をステレオタイプに語る不毛さも。

あの程度の文章しか書けないのなら、いっそ触れない方がいいんじゃないかな。

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