上海の日々
こと細かに書いても面白くも何ともないので、印象的だったことを適当に。
_____
《道路は怖い》
上海の道路において、秩序は存在しない。存在するのは、
「自分だけは1分でも1秒でも、早く目的地に着きたい!」
という、万人共通の願いだけ。
車は、ひっきりなしに車線変更を繰り返す。右へ、左へ。常に空いているスペースを探している。すぐに車線変更ができるよう、車線と車線の間を走っている車も結構いる。1車線しかない場合は、当然のように反対車線を走る。
人、自転車、バイクは、全く信号を守らない。好きな時に好きなところを好きなように横断、通行。
とにかくすごい。
道路の真中で立ち止まり、携帯電話でお話中の姉ちゃん。
すきあらば割り込もうとする車。割り込ませまいとギリギリまで詰める車間。
ひっきりなしでなるクラクション。
人、自転車、バイクをギリギリ(数センチ)でかわしていく車。
飛び出す自転車、逆走するバイク。
道路の真中で堂々と人の乗り降りをさせるタクシー。
高速でバックしているトラック(ジャンクションを間違えたらしい)。
キンタマ・キューの連続である。
#最大限の恐怖表現
絶対に俺はここで車を運転できない。
「良く事故がおきませんね」と聞いたら、「事故、いっぱいおきる。いっぱい死ぬ。」と言われた。
___
《日本語うまい》
「つのだまさん、日本語うまいですね」
打合せの休憩時間に唐突に言われ、困惑する。
いや、一応日本人だし。顔は東南アジア系だけど。
「すごく聞き取りやすいです」
そういうことか。
___
《中華料理1》
本場の中華料理。日本の中華料理とは違い、あっさりしていておいしい。
(「上海の料理は何たらに区分されるため、あっさりしているのだ」と丁寧に解説してく れたのだが、忘れてしまった)
地元の人とある店に入ったとき、「何か食べたいものがあったら言ってください」と聞かれる。当然、俺の大好きな料理を叫ぶ。
「餃子と小龍包!」
...沈黙...
「この店は、高級なお店なので、そんなもんありません。他に何か?」
ひーん。
他の料理なんて知らん...俺にとっては、宇都宮の方が中華だ。
___
《中華料理2》
なんとしてでも餃子が食べたくなった私は、ホテル到着後、町に繰り出す。
なんて書くとかっこいいが、ホテルの近くに水餃子チェーン店があるのを教えてもらっていたので、その店に向かっただけ。
地下に入ると、ファーストフードのお店のような造り。
「きゃん・ゆー・すぴーく・じゃぱにーず?」
きれいなジャパニーズイングリッシュで店員に詰め寄る、俺。
悲しげに首を振る姉ちゃん。
顔を見合わせて途方にくれる2人。
「これまでか...俺は結局中国で餃子は食えないのか...」
一瞬諦めかけた俺。
次の瞬間、ネーちゃんが、パっと明るい表情となる。
ひらめいた(らしい)。
期待する。
「カイテクレ」
嬉々としてメモ帳とペンを渡され、ジェスチャーで伝えてくれる。
わからんて。
中国語書けるんだったら、苦労しないって。
考え込む俺。しかし突然ひらめく。
「美味!」
メモ帳に大きく書く。ビックリマーク付である。
ネーちゃんに紙を渡す。
ちょっと間があったが、しばらくするとネーちゃんは、3つほど名前を書いてくれた。
その1番上に書いてあるものを指差し、うなづく俺。
カシャカシャ、チーン!
あの時のレジの音のなんと心地よかったことよ。
しばらく後、出てきた水餃子の美しかったことよ。
勝った。俺は中国に勝った。
4元(60円)の餃子が、買えたこと。
この件は、俺が今回の出張で一番嬉しかったことだ。
ちなみに、一番悲しかったことは、この餃子がとても不味かったことだ。
___
《上海雑技団》
これ、絶対見に行ったほうがいい。客は日本人ばかりだが。
あの曲芸はすごい。素直に感動。
壷を使ってジャグリングをしていた人には、ぜひサッカーをやらせて見たい。
チームプレー?
いらない。
あいつなら、頭にボールを載せたまま、相手ゴールまで行ける。
___
《もてもて》
「日本が好きな中国人、みんな、つのだまさんが好きです。」
お。そんなに俺、魅力的か?
島国じゃわかんねーらしいからな、この魅力。
やっぱ大陸かな。嫁さんの顔、大陸系だし。
「すごく聞き取りやすいので...」
また、それかい...
_____
発展中の中国、そしてそれを象徴する上海。
元気な人間はより元気に、元気の無い人間は残っている元気を吸い取られる、そんな都市でした。
ま、機会があれば行ってみてください。
もしまた行くのなら、今度は中国リーグが開催している時期に行きたいなぁ。