憎まれ口的アンチ「良いサッカー」論
プロのライター・素人ライターこきまぜて、今のサッカーに関わる文章ってのは戦評が殆どなんだよな。
戦評となれば、当然、ライターが持つ「良いサッカー」観ってのが論の中心となる。結果、いつの間にか、世の中は「良いサッカー」を求める声に満ち溢れてしまっている。
もちろん『何が「良いサッカー」か』なんてもんは人によって違っているわけで、結果を重視するもの、試合中のプロセスを重視するもの、試合前からのプロセスを重視するもの、基本戦術を重視するもの等々、それこそ人の数だけ視点がある。
でもさ、これだけサッカーを巡る文章が「良いサッカー」に偏っている状況って異常だぜ。
なんかさ、戦評だけ書いているやつって勘違いしてんじゃない?
『「良いサッカー」が、サッカーの全てだ』ってさ。
_____
前にも書いたけど、俺は「良いサッカー」を重視していない。
「良いサッカー」を中心とした文章を読んで、関心することはあっても(笑)、心動かされることはない。
理由は簡単。
「良いサッカー」の文脈じゃ、J2最下位のチームを応援するためにスタジアムに通う俺を、絶対、説明できないからだ。
_____
「良いサッカー」の文脈で見れば、J2中位以下のクラブの試合なんざ、クズだぜ。
クズなサッカーを見続けている俺は、バカかい?
クズなサッカーを見続けている俺は、憐れかい?
クズなサッカーを見続けている俺は、不幸かい?
その通り(笑)
でもさ、各クラブの経営を支えているのは、「バカ」で「憐れ」で「不幸」な奴らだぜ。
「良いサッカー」を目指している奴らが、どんだけ金を落してんだよ。
所詮浮動層じゃん。
_____
「良いサッカー」ってグランドしか見てない。
これは観客席に自分ひとりしかいなくても成り立つ視点なんだよな。
で、実際に観客席に自分ひとりしかいなくなっても、同じ視点で文章書くのかね?
なんか「これは良い商品です」ってひたすら言っている営業に近くねーか?
結局さ、「良いサッカー」を中心とした文章って、「現状」が絶対壊れないって前提で成り立ってんだよな。
前にも書いたが、本当にそうか?
たった10年だぜ、Jが始まって。
プロ、素人こきまぜて、みんな誤解してねーか?
第一、その「現状」って、「良いサッカー」だけじゃ説明できない奴らに支えられてんじゃないの?
笑っちゃうね。
_____
もちろん、「良いサッカー」かどうかという視点は、最も市場ニーズがある分野だ。プロのライターが、そこをターゲットとした文章が多くなるのは当たり前だと思うよ。
素人ライター的には、いかにもサッカーに詳しそうに見えるってのが、最大の魅力だね。
でもさ、たまにはグランドではなく、スタジアム全体を見てみろよ。そういう視点でモノを書いてみろよ。クズな試合を見たときが一番効果的だ。
クズな試合を好き好んで見に行く奴らがいるのは何故だ?
とてつもなくニッチな分野だけど、そこから展開されるのは、もっともサッカー界にとって必要な分野じゃねーの? まだ足元が固まり切らないサッカー界にとってね。
まぁ、4年に1度、ブームが来ればいいとか思っている奴らには関係ない話だけどな。
それにしたって、1回予選落ちしたらどうするつもりか、聞いてみたいけどな。
_____
所詮「良いサッカー」を中心とした文章なんざ、「与えられた」おもちゃで遊んでいるだけだ。
「なぜ、こいつらは、クズなサッカーを見に行くのか?」
「なぜ、俺はクズなサッカーを見に行くのか?」
これが100件集まれば、すごい価値になると思うよ。少なくとも1億件の戦評よりはな。
J2中位以下のクラブのサポーターは、戦評書いてぼやくのもいいけど、たまには自分に向きあった文章かけや。常に突きつけられているだろう?
自分が持っている宝物に気づかない人間が多すぎるんだよな。それこそ本当に価値のあるおもちゃなのにな。
#親父くせーな、今日は(笑)
_____
去年、この憎まれ口シリーズで、いくつかのキーワードは出したけど、今年はもっともっと深めていきたい。
決して「良いサッカー」の視点ではなく、土着サッカーファンの視点でな。
三ツ沢土着。
今年のキャッチフレーズだ。誰のって、俺の(笑)