そして、若いままのお前と老いていく俺。
あの日の朝、嫁は玄関先で俺を呼び止めた。
その顔は、混乱していた。本当に混乱していた。
仕事に追われ、全く余裕がなかった俺は、口の先まで出掛かった「何言ってんだ、バカ」という言葉を飲み込んで、手に持っていた新聞を見た。
彼女の言葉が、そのまま見出しとなっていた。
−−−−−
あれから、4年がたった。
結局、お前は死に、俺は生き続けている。
生き続けることで、穢れ続けている。
そして俺は、自嘲しつつも、それを受け入れようと思っている。
それがお前を裏切ることだとわかっていても。